熊野街道散歩N 西御坊(海士王子・九品寺)〜津井王子(印南) 

 連休後半戦の中日、道成寺にて女の性の恐ろしさを思い知りつつ、紀南の海を眺めながら南下、前回お土産に買った安珍・清姫縁起図付きの釣鐘饅頭持参して長丁場を乗り切りました。

和歌山もこの辺りまで来るとすっかり南国の様相になってきます、南方系の雰囲気を感じる紀州鉄道に乗って、明るい陽光を浴びながら小さな漁村をつないで道は熊野へ向かう。

御坊から田辺へかけては安珍・清姫、伝説地も多く残っているようです、野島で出会った有田の産だと言うおじさん(70歳前後)は5.60年前までは、熊野詣をする人(主に修験道をする人)に飯を食べさせたり、加持祈祷を頼んだり、して接待様の事をしていたと言う貴重なお話を聴けました。

コース 07/5/3
熊野街道散歩は 且Rと渓谷社 歩く旅シリーズ 熊野古道を歩くISBN4-635-60033-5 並びに 旧陽書房  熊野古道ガイドブック 熊野への道ISBN4-906108-37-7 を参考に訪問しました。






くろしお:前回(07/4/29)の訪問でぬるま湯にどっぷり浸かり、特急の虜になってしまった私は、今回も己の精神を鍛える為の在来線乗車行を出来なかった・・特急シートでMP3聴いて90分で御坊・・定家が聞いたら怒るやろうな・・ 紀州鉄道: 前回気になっていましたので、乗車する事にしました、一両編成のディーゼル ワンマンカー ほんとにのんびりしていてよかったです。
車内:ベンチシートで、まあバスですわ。
直線部ではエンジン音が響きカーブになると惰性で走行するためかレール音が「がたごと」と聞こえてきました。
料金:紀伊御坊・学問までは
¥150
市役所前・西御坊までは
¥180−
降りるときに箱に入れる方式でした。
西御坊駅:自販機の裏が駅舎です。3,40年時間が止まったような懐かしさがありました。
純然たる鉄道経営では当然成り立たないでしょうが、この鉄道が日本に在ると思う事で、なんだか(ほっと)できますね。
松原通り商店街:西御坊駅から日高別院までは商店街がありかつての隆盛を忍ばせます。
寺内町:戸期に美浜町から移動した日高別院は寺内町を形成した。
今でも別院の周りには古い町屋が沢山残っている。
和菓子屋さん:古い和菓子屋さんがありました。

本願寺日高別院:御坊の町の地名起源となる寺。
湯川氏とのかかわりが深く、また、かつては報恩講の際に近縁・遠方から沢山の人が参拝に訪れたそうです。

前記 紀州鉄道もこの参拝客を運ぶのも鉄道敷設の目的であったそうですね。

話は変わりますが、十年ほど前に信長の野望と言うゲームをして西日本を制覇し近畿地方に進出すると、和歌山に本願寺ゆかりの「鈴木一家」が居ります。これが強い強い、鉄砲能力S揃いで、築城戦をやられると大事に育成した島津ブラザーズとか立花道雪とかゲームをリセットしてまで仕官していただいた毛利元就とかの歴戦の勇者がばたばたと全滅しました。
手押しポンプ:別院から御坊駅方面へは古い街道が残っていて町屋の軒先には手押しポンプが残っていました。
道標:橋の袂に道標がありました、みぎ くまのみち と刻まれる。

門徒さんが伊勢参りや熊野詣をした時は、別院は必ず立ち寄ったでしょう。

その場合には、熊野街道から逸れるので案内がいったのでしょうね。
塩路城:城跡かと思い近寄ると、結婚式場のようでした。。
岩内一号墳:藤白坂で扼殺された有馬皇子の墳墓ではないかと言われる古墳。日高川南岸の古墳地帯となる。 岩内王子址:定家は小松原の宿に泊まれず、川を越えてこの辺りまで宿を求めたとの事でした。
川沿いの王子社である為に、何度も流されたので現在地に移されたらしいですね。
圓満寺付近:この辺りは江戸期の旧街道の面影が残っていました、道は狭く家の軒先をするようにして蛇行しています。この辺りまで来ると時々潮の香りが風に混じるように成りますね。 塩屋王子神社: 由緒書きによると平安時代には製塩業発展のため魚屋權兵衛なる人が伊勢神宮に分霊してもらい創建されたそうです。
塩屋王子への階段:かなり急勾配の長い階段を上ります。

塩屋王子の社叢は御坊市天然記念物に指定されているほどの森でかつての日本の鎮守の森は(こうであった)と思わせるすばらしい森です。


この神社は氏子さん達に非常に大事にされている事が伝わってくる神社でした、美しく清掃されていて、説明版が丁寧で、自作ガイドを用意していて、郷土の誇りのような神社なんでしょうね。自然と帽子を脱いで参拝して来ました。
御所の芝:後鳥羽院行在所の跡とされる。
南塩屋の町並:タバコやさんでしょうか? 南塩屋の町並:古い洋館のもと郵便局のようです。
〒マークがしっかりと。 南塩屋の町並:コンクリート製の洋館もありました。
光専寺:浄土真宗の寺、境内はあまり広くは無い。

柏槙は和歌山の天然記念物です。
観音山遊歩道:光専寺を過ぎてしばらく進むと観音山遊歩道がある、古道の面影を感じる事が出来る道でした
光専寺:境内には和歌山県最大の柏槙がある。推定樹齢600年で新日本の銘木100選にも選ばれているそうです。
その表皮は幾重にも巻きついて生存競争に勝抜いた猛者の表情があった。
観音山遊歩道を越えたあたりから、空気・景色・風情、の雰囲気が変わってきます。
南紀にいたった実感が沸いてきました、いつも潮の香りが漂い太陽の光が輝いています。
観音山歩道から太平洋を望む: 観音山遊歩道の小さな峠を越えると紀伊水道の絶景が広がります。万葉人の詩心は騒いだ事でしょう。
徳本上人名号石:おなじみ徳本上人名号石 施主 南塩屋 善六 となっていました。 一里塚址:かつてはこの辺りに一里塚があったようです。道標は人家の庭先に隠れるように設置されていた。
清姫草履塚:安珍いとしの清姫はこの辺りで草履を履いているのももどかしく、脱ぎ捨てて安珍を追いかけたそうです。
饅頭屋さんの図によるとNo12くらいですね、すでにNo9位から角が生えていますね。

有田の産だと言うおじさん(70歳前後)とはこの辺りで遭遇しました、話好きで、切目まで車で送ってあげると言う、熊野街道を歩いていると告げると、安珍・清姫の事、お接待の事、など色々と話してくれました、「案珍は清姫とエエ仲になってからに逃げょったんよー」と濁点の発音がない話法で「送ってあげるろー」と言っていた、愛するべき紀州人の典型のようなおじさんでした。
ハウス栽培の花:日本で初めて蚊取り線香を商品化した人は和歌山県人であり、当初においては有田地方にて栽培が始まったようですが、和歌山から瀬戸内沿岸の島々のみかん栽培に適した地はかつては除虫菊の栽培が盛んであったようです。

いまでは海外生産に切り替わりましたが、花栽培のノウハウは残ったわけですから、現在は都市部に向けての生産が稼動していて、ハウス越しに見える花々は綺麗に咲き始めていました。
はし長辺りの入り江:草履塚を越えてすぐ入り江がひろがります、潮の空気を胸いっぱいに吸い込んで一休みしました。
お首地蔵への案内:近くに観音寺と言う首から上の病気にご利益がある寺があるそうです。 箱スカ:往年の名車、箱スカ がありました。GTR仕様にしていないGTXと言うところが 通 ですね。
仏井戸:上野王子の旧社地、井戸の底の岩盤に三尊が彫られている、付近には地蔵様やら古い五輪塔などが集められていた。 海岸段丘の水を得る事が困難な場所にある貴重な水源であったろうから、非常に大事に保存(水場と言う意味でも)されて来たのでしょうね。
上野王子址:中世の火災で仏井戸から江戸期に移設された場所、現在は石碑がぽつんとありました。07/5/3上野王子から南下する路は橋梁工事の為渡れません。
迂回して国道42号腺沿いに南下してく街道にでなければなりませんでした。
清姫の腰掛石:安珍を追いかけた清姫が休息のため腰掛けたと言われる石。
どこかの手水鉢のようでした。饅頭屋さんの図によるとNo10くらいですね、すでにNo9位から角が生えていますが、まだ顔に余裕があるようで・・まだ一縷の望みがあったのでしょうか?
弁柄格子のある家:いまでは珍しい弁柄格子の残る町屋がありました、弁柄の色目も残っていて最近まで人が住んで居たようですが今は無住の様子でした。 下楠井漁港:古道は小さな漁港を縫い合わせるような格好で熊野へと向かう。
宮子姫生誕の地掲示板:御坊と印南の境界に宮子姫生誕の地の地の看板が、繰り返しになりますが、木材、製塩、海士、の大きな勢力があったのでしょうね。吉備の黒姫伝説も同じような話みたいですね。 印南町王子案内看板:印南漁港に至る峠付近に印南の王子址を示す大きな看板がありました。
この辺りまで来ると車でてずねる人も増えるのか?車からでも見やすいように目立つ看板です。
ハングル表記があったので観光人観光客が多いのでしょうか?
印南港:釣師のさと印南港、年中何かの魚を釣る事が出来る釣師のメッカ、鰹節発祥の地でもあるそうです。
津井(叶)王子址:旧街道と思われる小道の脇にあった、古木が残りいかにも王子址との雰囲気が残っていました。
室町期まで、旧社地(王子址)はここより西にあったそうです。
跡地内には巨木がありうっそうとした社叢の跡のようです。江戸期には間違いなくこの場所に叶王子が在ったそうです。
印南港:おじさんが釣りをしていたりバーベキューをする家族連れで賑わっていました。 印南の町:漁師町独特の狭い路だらけでした、どうやって車を入れたんやー見たいな路地でした。
印南駅:ローカル駅ですが有人で切符を買えました。学生やおばさんたちが沢山おりました。 御坊まで:在来線で御坊まで行って御坊から特急くろしおに乗りました。ここの辺りまで南下すると特急での往復もつらくなって来ました。そろそろ宿泊での徒歩旅行が必要でしょうか。



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